東山奈央武道館ライブ感想

2/3に東山奈央さんの武道館ライブが開催されましたね。僕は関東でイベントに行くのは初めてで、かなり不安もありましたが今までで参加したライブの中でもトップレベルに楽しかったです。今回は僕がこのライブを目で見て耳で聴いて感じたことをつらつらと書いていきたいと思います。

 

東山奈央と中川かのん

これに関してはほんとに熱い思いがあるので、ライブ以外のこともここで先に全部言っておきたいと思います。僕は神のみぞ知るセカイという作品をオタクなりたての中学くらいの時にアニメで見てました。その時は正直「中川かのん」というキャラは桂馬の攻略キャラの一人、無数に輝くヒロインの星のうちの一つとしか捉えていませんでした。大学生になった時に、徐々にライブというものに興味を持つようになり、初めて「中川かのん starring 東山奈央 2nd 2014 Concert Ribbon Illusion」の円盤を購入し、一人で鑑賞しました。見終わるころにはほんとに感動で涙が止まりませんでいた。今まで僕の中で数ある星のうちの一つとしか認識していなかった「中川かのん」というキャラにこれほど強い憧れを抱いて、デビュー間もない頃からかのんちゃんに少しでも近づこうとひたすら努力を積み重ねてきた「東山奈央」という声優を「本当に凄いなぁ」とただ尊敬していたんです。かのんちゃんの隣で必死に輝こうとする東山奈央という星のおかげで、僕もかのんちゃんがもっと好きになりました。そんなことを思う一方心の中で「どうして僕はもっと早くこの人を知らなかったんだろう。どうして僕はこんなエモいライブにいけなかったんだろう。」という後悔がどこかにありました。このライブ円盤を見て僕は東山奈央さんを応援するようになりましたが、心のどこかでは東山奈央さん自身ではなく、中川かのん starring 東山奈央を求めている部分もかなりあったと思います。

 

今回のライブでは、数年間僕が抱えてきた後悔や未練がやっと無くなったのではないかなと思います。鳴沢臨海ホールのモデルとなった武道館という場所で、アニメや原作を再現する演出でかのんちゃん楽曲を披露するというのは本当にエモーショナルなことだと思いますし、らぶこーるのイントロが流れ出してかのんちゃんの衣装を着た東山奈央さんが出てきた時はただただ嬉しくて武道館まで来て本当に良かったなと一人で泣き崩れてしまいました。

 

セトリに込めた東山さんの思い・葛藤

今回のライブにおいて、僕は絶対に東山さんはキャラソンを歌うなと感じていました。もともと本人名義の曲が18曲くらいしかなく、ラジオやツイッターで東山さんやスタッフの人たちが「セトリがエモい」としきりに発信していたし、会場も武道館というとても大きな場所だったからです。また君と僕のシンフォニーのMVや歌詞などからも「中川かのん」というキャラクターがにじみ出ているような気がしました。こういうことから、今回のライブの裏には、「東山奈央とキャラの別れ、アーティスト東山奈央のはじまり」というテーマがあるのではないかと勝手に感じておりました。

 

実際ライブ自体もそれに近いテーマではありましたが、「会場が武道館で無ければ自分名義の曲だけのセトリを作るつもりだった」という東山さんの言葉に僕は非常に驚きました。

 

東山さんは声優としては長く続けておられますが、アーティストとしてはまだ一年間しか活動をしていません。東山さんは様々なアニメに出演しており、キャラソンも非常に多い声優さんで、ライブに来る人たちの中にはキャラソンを歌って欲しいと思っているもかなり多いと思います。そういうこともあって、1stライブでは許可が下りるならキャラソンをセトリに入れても許されるよねと思っていたんです。

 

しかし、東山さんは違いました。「今まではキャラに寄り添って、キャラに頼って歌っていたけれど、あくまでこれはアーティスト東山奈央のライブだから、キャラソンをセトリに入れず、自分名義の曲だけでお客さんを楽しませる。そうやって、東山はもう一人で歩いていけるんだよ、一人でステージに立てるんだよっていうことをキャラやお客さんに証明することが一番のキャラへの感謝だと思った」とMCでおっしゃっていて、「僕が応援している東山さんはこういう本当にただ純粋にひた向きに前に進んでいこうとする人だったな」と改めて東山さんの凄さを感じました。実際に本人名義の曲で構成されたアンコール前までの東山さんのパフォーマンスは本当に素晴らしいもので、バラード曲やアップテンポな曲、キャッチーな可愛い曲やかっこいい曲等々多種多様な歌を披露されていてまさに「Rainbow」というタイトルに相応しいライブでした。My Wayなどのダンス曲がその最たるもので、ダンサーさんに負けず劣らずのパフォーマンスを見せる東山奈央さんは今までに見たこと無いくらいかっこよかったです。

 

Ribbon Illusionで集大成ライブを終え、あまりにも大切すぎて東山さんが家で口ずさむことさえしないかのんちゃん楽曲を僕が聞けたのは会場が運命的にも日本武道館だったからこそであり、まさに「True Destiny」だなと感じますね。

 

君と僕のシンフォニー

今度は最初と最後に披露された君と僕のシンフォニーという楽曲について話していきたいと思います。この楽曲は凄いアップテンポなのに、聴いてると少し涙が出てくるような曲で、歌詞もほんとにエモいんですよ。僕はこの楽曲は絶対最後あたりに持ってくるぞと勝手に思ってました。だから一番最初にこの楽曲が歌われた時は正直びっくりしました。今はこの曲を最初と最後に持ってくるのは本当に完璧だなと思っています。一曲目の君と僕のシンフォニーは、「武道館ライブ始まったな」っていう一種の高揚感、高まりを僕にくれました。この時は歌詞というよりはアップテンポなメロディを純粋に楽しんでる部分が多かったと思います。最後の君と僕のシンフォニーは本当にエモかった。同じ曲を聴いてるはずなのに、一曲目とは感じ方が全然違ったんです。歌いだしの歌詞

 

ひとりきりじゃ 辿り着けない景色

今こうして 笑い合えるキセキ

また会えたね 優しく微笑むから

あの日ように 涙あふれたんだ

 

っていうのがほんとに心にしみました。本当にどの部分を取り出してもこの曲はメッセージ性の塊なんですよね。この曲の歌詞の「君」には、かのんちゃんを含む東山さんが演じてきたキャラクターやマネージャーさん、家族、ライブを作り上げてくれたスタッフ、いつも支えてくれた声優さん、そしていつも応援してくれるファンの人たち等々が含まれていて、この武道館ライブを成功させるにあたって東山さんを支えてくれたそういう全ての人たちへの感謝がこめられている楽曲なんです。かのんちゃんから東山さんを好きになった僕としては、君=中川かのん、僕=東山奈央と解釈した時の君と僕のシンフォニーの歌詞はほんとにエモいんです。語彙力がなくてすいません。かのんちゃんという過去や新曲「灯火のまにまに」という未来も全部受け止めてアーティスト東山奈央はこれからも進んでいくんだなと本当に感慨深くて、あったかい気持ちでいっぱいになりました。

 

最後に

本当はRainbowやオトメイロや新曲「灯火のまにまに」などももっともっと話たかったりするのですが、今回は武道館ライブで自分が本当に良かったなと思う部分を抜き出して思うままに書いてみました。かのんちゃんのことばかり話してしまっている気がしますが、今回ばかりは許してください。

 

Ribbon Illusionでは東山さんをかのんちゃんがステージに連れてきましたが、1stライブでは東山さんがかのんちゃんを武道館に連れてきました。武道館という場所で、原作と同じような構成のライブパフォーマンスを行うことで、東山奈央と中川かのん、二つの輝く星がつむぎだす物語は本当に終わったのだと思います。これから、アーティスト東山奈央は桂馬を頼らず自分一人でも輝けるようになったかのんちゃんと同じように、キャラに頼らず、本人名義の曲だけのセトリを携えてたった一人でステージに立っていくと思います。中川かのんという一種の亡霊を追いかけていた少し前の自分とはおさらばして、アーティスト東山奈央の成長をこれからも見守っていきたいと思いました。